「泣き止まない赤ちゃんにイライラして、つい揺らしてしまった・・・」
「車で強く揺れてしまった・・・」
そんな時は「揺さぶられ症候群」が心配になってしまうママもいるのではないでしょうか?
- 揺さぶられ症候群って何?
- 揺さぶられ症候群になりやすい理由
- どのくらいで揺さぶられ症候群になるの?
- バウンサーや車の揺れは大丈夫?
- 揺さぶられ症候群になりやすいシチュエーションは?
そんな「揺さぶられ症候群」に関する不安をもつママにおすすめの記事です。
揺さぶられ症候群とは?
「揺さぶられ症候群」とは、赤ちゃんが激しく揺さぶられたことが原因で、脳が傷ついて、網膜出血、硬膜下出血、くも膜下出血などを引き起こしている状態を指します。
正式名称は、「乳幼児揺さぶられ症候群」といいます。別名として「揺さぶられっこ症候群」、またはShaken Baby Syndoromeを略して「SBS」とも呼ばれています。
揺さぶられ症候群は、出生後6か月ぐらいまでの首がすわっていない赤ちゃんが最もなりやすいです。しかし、6か月を過ぎても2歳ぐらいまでは、激しい揺れには注意が必要です。
揺さぶられ症候群が起こりやすい理由
首の筋肉が未発達
「首がすわる」という言葉があるように、赤ちゃんの首の筋肉は非常に弱いです。
通常、大人であれば激しく揺さぶられたとしても、反射的に身体をこわばらせることで、脳への衝撃を和らげることができます。しかし、赤ちゃんの場合は、激しい揺れに対して、頭がそのままもっていかれてしまうため、揺さぶられ症候群になるリスクが非常に高いです。
頭が重い
赤ちゃんの頭が重いのも、揺さぶられ症候群になりやすい理由です。
赤ちゃんは、月齢が低いほど、身体に対して頭が重たいです。そのため、激しく揺さぶられた場合には、揺さぶられた時の反動も大きくなってしまいます。そのため、揺さぶられ症候群になりやすいです。
頭蓋骨と脳の隙間
生まれたばかりの赤ちゃんの脳はまだまだ未熟で、その大きさは大人に比べて3分1ほどしかありません。その脳が十分に発達できるように、頭蓋骨と脳の間に隙間が存在します。そのため、激しく揺れると、脳は頭蓋骨にぶつかり損傷してしまいます。
揺さぶられ症候群が疑われる症状
「強く揺らしてしまった、、、」
「揺れてしまった、、、、」
そのような心当たりがあり、赤ちゃんに以下のような症状がみられた場合は、揺さぶられ症候群の可能性が考えられます。
- 元気がなくなるor機嫌が悪くなる
- 母乳やミルクを飲まない、または嘔吐する
- すぐに眠ってしまう、長時間眠り続ける(傾眠傾向)
- 痙攣している
- 呼んでも反応がない、答えない(意識障害)
- 強く刺激しても目を覚まさない(昏睡状態)
- 呼吸がおかしい、または止まっている
- 死
機嫌の良し悪し、母乳やミルクの嘔吐は、健康状態でも見られる場合があります。
また、普段から長時間まとめて眠るという赤ちゃんもいます。
判断しづらい症状もありますが、揺さぶったという心当たりがあって、「赤ちゃんの様子がいつもと違う」と感じた場合は、すぐさま病院を受診するようにしましょう!
また、揺さぶられ症候群は助かったとしても、脳に関する後遺症が残ってしまう場合もあります。
- 失明や視力障害
- 言葉の遅れ、学習障害、知的障害
- 脳性麻痺
揺さぶられ症候群で脳が傷ついてしまうことで、学習機能や身体機能などに大きな影響を及ぼしてしまいます。
揺さぶられ症候群になりやすいシチュエーション
具体的にどれくらいの揺れが危険?
「揺れる」というシチュエーションは、小さいものであれば日常に数多く存在します。
明らかに激しく揺さぶったのならともかく、どの程度の揺れだと「揺さぶられ症候群」になってしまうにか分からないと不安になってしまいますね。
あくまで目安としては、1秒間に2~3往復以上の揺さぶりが、5~10秒続くと揺さぶられ症候群になる危険性があると考えられています。常識的な範囲で赤ちゃんと接していれば、これほど激しい揺れになることはほとんどありません。
ベビーカーやバウンサー、車の揺れ
ベビーカーやバウンサー、車で少し強く揺れてしまうと、「揺さぶられ症候群になるのでは?」と不安を感じる方もいるかもしれません。
しかし、揺さぶられ症候群は、基本的に赤ちゃんの頭が前後に激しく揺れるような場合に起こります。ベビーカーやバウンサー、車でチャイルドシートなどに乗せている場合は、仰向けで寝ており、背中部分のシートで頭と首が支えられているため、揺さぶられ症候群になる可能性は低いとされています。
しかし、ベビーカーやバウンサーは長時間の使用は避け、車も適度な休憩をとることが推奨されています。
パパ、ママがイライラしている時は揺さぶられ症候群に要注意!?
揺さぶられ症候群が起こりやすいシチュエーションとして、「赤ちゃんが泣き止まずに、パパとママがイライラしてしまい、つい揺らしてしまった」というケースが最も多いです。
特に赤ちゃんが泣いているという状況は、ママが抱っこしている時ではなく、寝かせている、または座っている時です。その時に、イライラしてしまうと、赤ちゃんの肩を持って揺らしてしまったり、わきの下に手を入れて揺らしてしまうケースが多いと思います。その場合、頭や首が支えるものがないため、揺さぶられ症候群になりやすい傾向があります。
イライラしている時は、一度深呼吸などをして、落ち着いてから赤ちゃんと接するように心がけましょう!ちょっとした心がけで、命に関わる状況を回避することができます。
また、あやしている場合でも、「高い高い」などの、頭と首が支えられていないまま、激しく揺れてしまう行為は危険です。首がすわった後でも、2歳頃までは避けるほうが良いでしょう!
まとめ
- 6か月までの赤ちゃんは特に揺さぶられ症候群になりやすい
- 「揺れた」「揺らしてしまった」と心当たりがあり、赤ちゃんの様子が普段と違うと思った時は、すぐさま病院へ!
- 揺さぶられ症候群は、最悪は死、助かっても後遺症が残ることもある
- 基本的に車、バウンサー、ベビーカーなどの揺れでは、揺さぶられ症候群にはならない
- 頭がガクンガクンする揺れには要注意!
揺さぶられ症候群は、一度なってしまうことで、赤ちゃんの人生を左右してしまいかねません。しかし、普通に赤ちゃんと接していて、揺さぶられ症候群になることはほとんどありません。
どんなに無垢でかわいい赤ちゃんでも泣き続けていれば、ママだって睡眠不足になってイライラしてしまうことがあるのは仕方のないことです。ストレスが溜まれば、パパや他の家族に相談したり、イライラした時は、一度冷静になってから、赤ちゃんに接してあげるようにしましょう!