妊婦さんが、マグロのように水銀含有量の高い魚介類を食べ過ぎると、生まれてきた子が音の反応に鈍くなるなど、胎児に影響を与える可能性があります。
でも、知らずにマグロを食べ過ぎた!ということもありますよね。
マグロの摂取量の目安は、キンメダイ・メカジキ・クロマグロ(本マグロ)・メバチマグロ(にぎりのマグロ)ならば、1週間に80gとされています。
焼き魚なら一切れ、刺身なら一人前くらいの量なので、週に1回、普通の量を食べる程度なら問題ないでしょう。
また、同じマグロでも、キハダ・ビンナガ(ビンチョウマグロ)・メジマグロ(クロマグロの幼魚)・ライトツナなどは水銀含有量が少ないため、普通に食べて大丈夫です。
厚生労働省のサイトで、水銀含有量の高い魚と摂取量の目安を確認できるので、チェックしてみてくださいね。
<厚生労働省>
https://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/iyaku/syoku-anzen/qa/051102-1.html#05
市販のマグロ丼を食べてしまうと200gくらいあるので、一気に食べ過ぎになってしまいます。
産婦人科医によると、食べ過ぎてしまった場合は、今後しばらく食べないようにすれば大丈夫とのことです。
体内に蓄積された水銀は徐々に排出され、2ヶ月ほどで半量になります。
体内の水銀蓄積量を考えると、4ヶ月ほどは食べない方が安心ですね。
また、食べ過ぎたからといって直ちに影響が出るものではないので、定期検診の際にかかりつけ医に相談すると良いでしょう。
妊娠中にマグロを食べ過ぎると赤ちゃんに影響はある?マグロの恩恵と危険性
妊娠中にマグロを食べ過ぎると、胎児の運動機能・知能発達に悪影響を及ぼす可能性があります。
海外の研究ですと、男の子の方が影響を受けやすいという結果も。
たとえ妊娠中でなくとも、人が水銀を大量に摂取すると、中枢神経系に障害を起こし、神経が侵されます。
有名な「水俣病」も、魚介類に含まれるメチル水銀の過剰摂取によるものです。
とはいえ、普段の摂取量の100倍近い量を摂らないとそのようなことにはなりませんので、通常の量で水俣病になることはありません。
なぜ妊娠中に水銀の量を気にしなければいけないのかというと、水銀は胎盤を通して胎児に届きますが、胎児は水銀を排出することができないからです。
そして蓄積していった水銀が、胎児の神経系に障害を起こす可能性があるというわけです。
厚生労働省によりますと、生まれた子が音を聴いた時の反応が1/1000秒以下のレベルで遅れるようになると報告されています。
東北大チームの疫学調査では、生まれた子の運動機能や知能発達に悪影響が出るリスクが増すとのこと。
出産時の母親のメチル水銀濃度が最高レベルの場合、最低レベルの子と比べて、生まれた子が1歳半の時は運動機能の発達の指標の点数が5%ほど低く、3歳半の時は知能指数調査で男児のみ10%ほど差があったそうです。
こう聞くと、食べるのが怖くなってしまうかもしれませんが、マグロはEPAやDHAといった、赤ちゃんの神経組織を生成するのに重要な働きを持つ栄養素が豊富です。
食べ過ぎなければ、赤ちゃんのためにも良い食材です。量や摂り方に気を付けて、積極的に取り入れていきたいですね。
マグロは妊娠中に食べても大丈夫?障害のリスクを減らすために気をつけるべきこと
マグロは妊娠中に食べても大丈夫ですが、摂取目安が決まっているため、食べる時は注意が必要です。
過剰摂取による胎児へのリスクを減らすためには、1週間で決まっている摂取量を守ることです。
上記で紹介した厚生労働省のページによると、キンメダイ・メカジキ・クロマグロ(本マグロ)・メバチマグロ(にぎりのマグロ)などは1週間に80g、キダイ・マカジキ・ミナミマグロなどは1週間に160gとなっています。
また、キハダ・ビンナガ(ビンチョウマグロ)・メジマグロ(クロマグロの幼魚)・ライトツナなどは普通に食べても大丈夫です。
妊娠中にマグロを食べても大丈夫?加熱することで安全になるのか解説します
妊娠中にマグロを食べても大丈夫ですが、加熱しても水銀含有量は変わりませんので、摂取量は守りましょう。
水銀は直ちに影響はでませんが、生ものに潜む寄生虫や食中毒にあたると、嘔吐や下痢により腹圧がかかり、胎児に影響を及ぼす可能性があります。
火を通すことによって、寄生虫や菌などの生もののリスクが無くなるので、なるべく加熱して食べると良いでしょう。
妊娠中にマグロを食べるなら、何貫が適量?妊婦さんのためのお寿司ガイド
マグロのにぎりは、5〜6貫ほどが適量です。
回転寿司ですと、にぎりのマグロはメバチマグロ、本マグロはクロマグロ、たまにミナミマグロも使われていますが、どれも水銀含有量は多いです。
1貫の水銀含有量は12〜20gほどで、小さくて12g、平均くらいで15g、大きいものは20gほどになります。
サイズが大きかったら4貫ほどにしておくと安心ですね。
水銀含有量や菌、寄生虫などの観点から、妊婦さんが摂取を控えた方が良いネタは以下の通りです。
・マグロ類
クロマグロ(本マグロ)・ミナミマグロ(インドマグロ)・メバチマグロ・メカジキ・マカジキなど
・サメ類
・深海魚類
キンメダイ・クロムツ・ユメカサゴなど
・鯨類
バンドウイルカ・コビレゴンドウ・マッコウクジラ・イシイルカなど
・貝類
生カキなどの二枚貝
・他の生もの
イカ・サケ(サーモン)・カツオ・アジ・サバ・サンマ・イワシ・スモークサーモン、生ハムなど
・塩分が多いネタ
イクラ・魚卵・漬物を使ったもの
・炙りのネタ
生の魚介類は避け、茹でたエビ・タコ・カニが良いでしょう。
納豆巻き・かっぱ巻き・かんぴょう巻き・玉子・ツナマヨなどもおすすめです。
ウナギやアナゴに含まれている動物性ビタミンAは、不足しても過剰摂取しても赤ちゃんに先天異常が起こる可能性があります。
ウナギやアナゴは火を通したものを、たまに1皿くらいなら問題ないでしょう。
妊娠中に生ものを食べても大丈夫?気になるリスクと安全な食べ方
妊娠中の生ものは、禁止ではないですが、リスクが高いのでオススメできません。
妊娠中は免疫力が落ちるため、生ものに付着している可能性のある菌に感染しやすいからです。
生の魚介類には、
・リステリア菌
・腸炎ビブリオ
・ノロウイルス
・アニサキス
などの、寄生虫や中毒症状を起こす菌が付着している可能性があります。
これらの危険性を排除するには、中心部が85〜90℃で90秒以上の加熱をすると良いでしょう。
妊娠中にマグロを食べることに関するよくある質問と回答
Q1. 妊娠中にマグロを食べると赤ちゃんに悪影響はありませんか?
A1. マグロはたんぱく質やDHAなどの栄養素が豊富な魚ですが、メチル水銀という有害物質も含まれています。メチル水銀は胎盤を通して赤ちゃんにも影響を与える可能性があり、生まれた後の発達に悪影響を及ぼすことが指摘されています。そのため、妊娠中にマグロを食べるときは、量や頻度に注意する必要があります。
Q2. 妊娠中にマグロを食べる量や頻度の目安はありますか?
A2. 厚生労働省は、妊娠中のマグロの摂取上限量を以下のように示しています。
- クロマグロ(本マグロ)…1週間に約80gまで
- メバチマグロ…1週間に約80gまで
- ミナミマグロ(インドマグロ)…1週間に約160gまで
80gは刺身1人前や切り身1切れ程度です。また、マグロ以外にもメチル水銀を多く含む魚があるので、それらも含めて計算する必要があります。例えば、クロマグロとメカジキを食べるときは、1週間にそれぞれ半人前(約40g)ずつにするといいでしょう。
Q3. 妊娠中にマグロの刺身や寿司は食べても大丈夫ですか?
A3. マグロの刺身や寿司は美味しいですが、妊娠中は生魚を避けた方がよいとされています。生魚には細菌やウイルスが付着している可能性があり、食中毒を起こすリスクが高まります。妊娠中は免疫力が低下しているので、普段は問題なく食べられても、症状が重くなったり、赤ちゃんに影響が出たりすることもあります。そのため、妊娠中にマグロを食べるときは、刺身や寿司ではなく、焼いたり煮たりしたものの方が安心です。
まとめ:適量のマグロで、健康的な妊娠ライフを!
マグロを食べ過ぎると、生まれてくる子が音の反応に鈍くなったり、運動機能・知能発達に影響が出る可能性があります。
食べ過ぎてしまったら、その後しばらくマグロを食べないようにするなどの対策をとってくださいね。