「母乳が出る限りは、我が子に母乳をあげたい!」
そんな思いから、母乳をいつでもあげられるように搾乳して、保存しているママは多いのではないでしょうか?
しかし、母乳は生もので、正式な賞味期限もないので、冷凍、冷蔵はもちろん、
「常温でどれくらい保存ができるのか分からない」
というママもいるかと思います。
- 搾乳の正しいやり方が知りたい!
- 母乳はいつまで常温で置いておけるの?
- 冷蔵や冷凍保存はどれくらい持つの?
- 保存後に母乳を与える時の注意点
「母乳の搾乳と保存方法」について、詳しく知りたいママにおすすめの記事です!
母乳の栄養素はすごい
どうして、搾乳して保存するほど、赤ちゃんに母乳を与えたいと思うのでしょうか?
それは間違いなく、「母乳が赤ちゃんにとって良い!」からでしょう。
赤ちゃんに母乳がいいと言われている理由について簡単におさらいです。
母乳の基本的な栄養素
母乳には赤ちゃんが成長するために欠かせない栄養素、
- タンパク質
- 各種アミノ酸
- 各種ミネラル
- 各種ビタミン
- 炭水化物
- 糖質
などがバランスよく含まれています。赤ちゃんの成長に欠かせない栄養素を兼ねそなえている母乳は、ぜひ我が子にあげたいものですね。
ママからの贈り物「免疫力」
母乳には、「免疫グロブリンA(IgA)」という免疫物質が含まれています。
「免疫グロブリンA」は、鼻や目、肺、消化管、呼吸器などの粘膜で覆われている部分に、細菌やウイルスが侵入することを防いでくれます。
また、感染防御機能を持つ「ラクトフェリン」というたんぱく質も含まれています。出生後、数日間の黄色みがかった初乳にはこのラクトフェリンが通常の母乳に比べて、3倍も含まれています。
搾乳の正しいやり方
母乳を絞る前には、いくつかの準備があります。
- 手指や爪の中まで、綺麗に洗う
- 乳房や乳頭を除菌シートや、お湯を絞ったタオルなどで拭く
- 哺乳瓶やタッパーなどの母乳を入れる容器は必ず消毒する
これらの準備ができたら、立つor座る、どちらでも良いので、ママが無理のない姿勢で搾乳を行います。容器は乳首の下あたりに固定し、乳房の上側に親指、下側に人差し指を中心に他の指を添えて、数回圧迫したり、緩めたりを繰り返しましょう。
緊張したり、圧迫の位置が違うと出にくい時もありますが、うまくできると母乳がしみだしてきます。痛みを感じた場合も、圧迫する所がずれている可能性が高いので、少しずつ圧迫する場所をずらして調整しましょう。
うまく母乳が出てくるようになったら、左右バランスよく搾乳していきます。片方づつ絞り切ってしまうのではなく、数回圧迫したら、左右を交代し、少しづつ搾乳するようにしましょう。
母乳の出方が弱くなったり、母乳を出し切ったと思った場合は、そのタイミングで搾乳を止めるようにしましよう。量が少ないからと、無理をして絞るのは禁物ですよ!
母乳はどのくらい保存できるのか?
常温保存の場合
母乳は、通常25℃以下に保たれた場所で4時間保存することが可能です。4時間以内であれば、母乳に含まれるマクロファージという物質が、雑菌を食べてくれます。
しかし、この4時間というのは、あくまで「消費期限」だと考えるようにしましょう。細菌繁殖や衛生面、鮮度を考えると常温での保存は30分以内が望ましいです。
冬場や、クーラーボックスで持ち歩く場合など、15℃以下に保たれている場所であれば、24時間ほど保存が可能です。しかし、こちらも半日以内に使い切るのが理想的です。
室内、屋外に関わらず、常温で保存する場合には、「直接日光が当たらない場所」で保存することも重要なポイントです。温度に気を付けていても、日光が当たり続けると母乳が早く傷んでしまうので注意しましょう!
基本的には、30分以内に使い切る予定がない場合は、冷蔵or冷凍保存してしまうのが安全です。しかし、外出時や災害時の際には、便利なので覚えておくと安心です。
また、赤ちゃんに飲ませる時は、母乳の入った容器をぬるめのお湯につけて、人肌くらいの温度になるまで、温めてから飲ませてあげましょう!
冷蔵保存の場合
母乳は4℃以下の場所であれば、2~3日(48~72時間)は保存することができます。
しかし、こちらも24時間以内に使い切るのが理想です。
冷蔵庫内はその多くが4度以下になるように規定が設けられていますが、扉の開け閉めや、季節によって、多少温度は変わってしまいます。そのため、冷蔵庫の手前側や扉といった温度が変わりやすい場所ではなく、冷蔵庫の奥の方で保存するようにしましょう。
赤ちゃんに飲ませてあげる時は、常温保存の時と同様に、人肌の温度になるまで、お湯につけて温めてから飲ませてあげるようにしましょう!
冷凍保存の場合
-18℃以下の場所であれば、3~5か月間は保存することができます。
しかし、衛生面などを考えると2週間~1か月で使い切るのが理想的です。
冷凍庫に関しても、-18℃以下と決められていますが、開け閉めや季節により、温度が上がってしまうことがあります。母乳は一番奥側に保存し、早めに使い切るようにしましょう。
冷凍した母乳は、冷蔵庫に移すか、ボールにぬるま湯を張って、自然解凍してください。
その後、常温や冷蔵保存と同じく、人肌の温度になるまで、湯煎します。
この際、時間を短縮しようとして、電子レンジや直火で温めるのは厳禁です!
せっかく、栄養満点な母乳を保存しても、栄養素や免疫物質が破壊されてしまいます。
また、解凍後に再度母乳を凍らせることも厳禁です。一度解凍したら使い切るか、余った場合は、もったいないですが捨てるようにしましょう。
保存期限のまとめ
保存日数についてまとめています。
保存可能期間を「消費期限」、使い切るのに理想的な期間を「賞味期限」と称して記載しています。緊急のときを除き、賞味期限を参考に使い切ることが望ましいでしょう!
- 消費期限:保存可能期間
- 賞味期限:使い切るのに理想的な機関
また、この保存期限については、日光が直接当たらず、温度が一定以下、そして衛生的に保存されている場合の期限です。
温度 |
賞味期限 |
消費期限 |
25℃以下 |
30分 |
4時間 |
15℃以下 |
12時間 |
24時間 |
4℃以下 |
24時間 |
48~72時間(2~3日) |
-18℃以下 |
2週間~1か月 |
3~5か月 |
まとめ
ママがお出かけのとき、体調が悪いとき、、、、
そんな時にも、赤ちゃんには栄養満点な母乳を飲ませてあげたいものです。
搾乳して、保存しておけば、いつでも赤ちゃんに母乳を飲ませてあげることが可能です。
しかし、同時に搾乳した母乳は生ものと同じで、衛生面や使い切る期間に十分に気を付けることが重要です。
育児において、母乳を与えるのは一時のことです。母乳が全く出ないママや短い期間で止まってしまうママもいます。今、母乳が出ているというママは、この記事を参考にして、ぜひ我が子にたっぷり母乳を飲ませてあげてくださいね!